営業書類(見積書、請求書など)は、どのようにメールすればよいか?

売れないとはいえ、たまに仕事が舞い込むことがある。そのときにいつも迷うのが営業書類をどのようにやりとりするのがよいのかということだ。

まず、うちの商売であるが、委託をうけてパソコンでちょこちょこっとなんかやったり、プログラムを作ったりする仕事だ。分類としては業務委託ということになるだろう。こちらは受注側だ。取引先は、企業だったり個人や個人事業主だったりする。

昔、サラリーマンだったころ、その会社はソフトウェアの会社であったが、営業書類としては、見積書、注文書、注文請書、納品書、検収書、請求書のやりとりを顧客と行っていた。一般的に教科書に書いてあるとおりの書類である。

  1. 引き合いがあったら見積書を顧客に提出する。そのとき、注文書も一緒に添える。注文書は顧客が書くものだが、これに記名捺印するだけでよいように。郵送用に返信用封筒も同封していた。
    会社→顧客
  2. 顧客が発注したいときは、注文書を送ってもらう。注文書は顧客仕様のものでもよい。
    顧客→会社
  3. 注文書をもらったら、注文請書を顧客に送る。注文請書には印紙を貼る。
    会社→顧客
  4. 業務をして、納品物ができたら納品する。そのとき、納品書と検収書を添付する。検収書は顧客が書くものだが、これに記名捺印するだけでよい。郵送用に返信用封筒も同封していた。
    会社→顧客
  5. 顧客が、納品物を検収したら、検収書をもらう。
    顧客→会社
  6. 検収書をもらったら、請求書を顧客に送る。
    会社→顧客
  7. 顧客が入金する。

ざっと、このような流れであった。まあ、だいたい教科書どおりだとこんな感じだろう。

ところが、これを一人会社でやろうとしたら、とっても面倒だということがわかる。以前の会社では私はエンジニアであったので、営業が作ってくれた書類を持っていくくらいだったのだが、これを一人でやろうとすると意外とたいへんだ。

それに、原本をやりとりしようとすると、封筒につめたり、切手貼ったり、印紙貼ったり、送付状書いたりとボディブローのように足腰に効いてくる。

まあこのご時世、メールでやりとりすることが多いので、郵送はなしにして、PDFファイルをメールに添付して送るというので済ませることがほとんどだ。メールだけで原本を渡さなければ、注文書に印紙を貼る必要もなく、郵送もしないのでコストもかからない。

世の中にはオンライン上でサインもできるサービスもあるが、固定費がかかって使えないので、まあメールでよしとする。中には「原本を送れ」という、前時代的絶滅危惧種的老獪な会社もあるようだが、まずは「SDGs環境保護のためペーパレス化に取り組んでおります、紙での保存が必要であれば、御社にて印刷していただけませんでしょうか?」とお願いするのがいいだろう。別に紙で渡さなければならないという法律はないので、何ら問題ない(はず)。

とまあ電子データでやりとりするのはよいのだが、上記でいうと注文書と検収書をどうするかというのをいつも悩む。

注文書と検収書は、発注側が作るものなので、単に「ちょうだい」で済ませてもよいが、そこはあらかじめ、こちらで用意したものに記名捺印して送ってもらうのが、マナーのようだ(前の会社もそうしていた)。原本のやりとりだと別に問題ないのだが、メールでPDFでやり取りすると、どうするのがよいのかよくわからない。

受け取った方は、印刷して記名捺印して、スキャンしてPDFにしたものをメール返信するという、意外に面倒な作業を行うことになる。受注者側に自前のフォーマットがあれば、それを発行してもらえばよいのだが、相手が個人だったりすると、印刷してスキャンすらできないことにもなる。

そこで、上記1、4で発注書と検収書をこちらから送るときには、3つの選択肢を用意してあげることにしている。

  1. 御社指定の様式
  2. 同封の注文書(検収書)に記名捺印してPDFにてメール返信
  3. 注文(検収)いただける旨を本文に書き添えて頂きメール返信

3だと書類の形ではないが、メールを印刷して控えとしている。まあ、普通のちゃんとした会社であれば、会社指定の様式があるだろうし、個人であれば面倒なので、3のメール返信で済ませる。

取引額が数万円程度のものであれば、書類に時間掛ける方がばかばかしいので、時間ももったいないし、メールの文面だけでよいだろう。数十万とか数百万円の取引であれば、ちゃんとすればよいが、まあそのときには、いくらでも書類作りますよ、ということなのだ。

もう一度、今のやりとりをまとめておく。すべてメールでやり取りする。

  1. 引き合いがあったら見積書を顧客に提出する。そのとき、注文書も一緒に添える。注文書は顧客が書くものだが、これに記名捺印するだけでよいように。
    会社→顧客
  2. 顧客が発注したいときは、注文書を送ってもらう。ただし、方法は上記3つから選択可。
    顧客→会社
  3. 注文書をもらったら、注文請書を顧客に送る。原本じゃないので、注文請書には印紙不要。
    会社→顧客
  4. 業務をして、納品物ができたら納品する。そのとき、納品書と検収書を添付する。検収書は顧客が書くものだが、これに記名捺印するだけでよい。
    会社→顧客
  5. 顧客が、納品物を検収したら、検収書をもらう。ただし、方法は上記3つから選択可。
    顧客→会社
  6. 検収書をもらったら、請求書を顧客に送る。
    会社→顧客
  7. 顧客が入金する。

そもそも、世の中にはいろいろな業種や業界があるし、会社によっても商習慣やどの書類が必要かはまちまちで、これといって”普通”だという常識は通用しないので、まあ意外と適当でよいのだろうけど、いちおう流れを決めておいた方が、いちいち悩まなくてよいと思う、今日このごろである。

※とんでもない注意事項

ただし、これは現行の場合であって、電子帳簿保存法改正の改正により2022年1月1日からはメールで送った請求書などのPDFは紙に印刷して保存が認められなくなるらしい。タイムスタンプとか要件を満たせば電子保存もできるが、これらのシステムを使うにはこの手のサービス会社と契約しなければならず、とてもじゃないが固定費を払えない小さな会社には無理だ。だから、「紙で送れ」という時代錯誤的な要求がまたぶり返してくるはず。

もはやこのデジタル化バリバリの時代に、こんな小さな会社のことも考えていない悪法ができるとは、政治家もよっぽど頭が悪いとしか思えない。売上もないような小さな会社は潰れろということだろう。ああ、おかしな世の中だなと思う、今日このごろだ。

追記:

文句ばかり言っても仕方ないので、電帳法に対する対策を行ってみた。↓

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