一人会社を設立してはや3年、このたび第3期が終了した。
昨年の年末から、ありがたいことになぜか仕事をいただく機会が多く、3期目にして思わぬ大黒字を達成してしまった。
とはいっても、何億も売上があったわけではなく、世間で言われる給与所得者の平均年収ほどの売上なので、大したことはない。とは、とはいっても、自力でこれだけお金を稼いだというのは感慨深いものがある。これもひとえに、私の技術力と努力の賜物というわけではなく、お仕事をいただけたお客様の勇気(こんな名も無い怪しい一人会社に発注するという)に感謝感謝なのである。
さて、今年も法人税の確定申告を行ったので、備忘録としてまとめておく。
過去2期分のお話はこちらを参照。
会社の状況
売上: サラリーマンの平均年収くらい
経常利益: 思わぬ大黒字
事業年度: 4月末で第3期終了
事業形態: ひとり会社、事務所は社長の自宅の小部屋、パソコンでちょこちょこやる仕事
これまで、売上がなかったもんだから、自分の役員報酬を最低ラインに低く設定しておいた。売上はまあそれほどでもないのだが、役員報酬が少ないし、経費もノートPCやらiPadやら(仕事で必要なのです)を購入したくらいで、たかがしれているので結局、差し引きの利益としては結構なものになって大黒字となった。
要するに、今期は期せずして莫大な税金をお納めすることになったのだ。国民の義務なので仕方ないのだが、わかっちゃいるけどなんだかねえという複雑な思いなのである。
使ったツール
会計ソフト: フリーウェイ経理Lite(無料版)
税務ソフト: 全力法人税(有料版)
申告ソフト: 法人税→ e-Tax(インストール版)、法人県民税と法人市民税→eLTAX(PCdesk)
これらのツールはもうおなじみで、使い慣れたものである。ただ、今回はなんといっても、全力法人税にちゃんとお金をお支払いし、e-TaxデータやPDF出力も全てお任せしたため、もう本当に簡単に1日で申告終了となったのである。
全力法人税は今まで無料版を使わせてもらっていたため、e-Taxなどの出力ができなかったのだが、今期はお金があるので、もう今までの感謝も込めて、きちんとお支払いしたのである。
1.決算書の作成
日々の仕訳、記帳と決算書の作成は、無料のフリーウェイ経理を使わせていただいている。これはもうずっと使っていて、シンプルな複式簿記で、飾りっ気がなく、今どきではなく、下手な自動化もできない、とってもよいソフトなのだ(これは悪口ではないですよ、ホント。こういう一見地味だけど、きちんと使えるソフトは優秀なのである。私も開発者の端くれとして、こういうソフトは好きなのだ)。
そういえば、決算書を作るうえでとても重要なことは、日々の記帳である。確定申告のときに慌てて一年分の記帳をしようと思っても、まず無理である。私は、毎月、仕訳記帳をフリーウェイ経理に入力している。この積み重ねが重要で、これを怠らずにしておくと、決算書はボタンひとつで作成できる。
2.法人税申告書の作成と提出と納税
全力法人税
フリーウェイ経理と全力法人税は直接連携はできないようなので、決算書を片手に、全力法人税に入力していく。金額を間違わなければ特に難しいところはない。ウィザード形式で次へ次へで、申告書類と法人税の計算ができてしまう。
これまでは全て赤字だったので、今期の利益から全て控除される。あと、創立費も一括償却した。
それでも利益がそこそこあり、はじきだされた納税額を見て、やや気分がしずむ。これまでは赤字でも法人住民税を払わなくてはならなかったが、これに合わせて、法人税と事業税が加算される。だいたい、実効税率30%弱の計算になる。
e-Tax
e-Taxはもう何年も使い続けているので手慣れたものである。さらに、今回は全力法人税からe-Tax用データを出力してあるので、これを取り込めば一瞬で提出書類が作成できてしまう。昨年のように全力法人税の画面を見ながら、e-Taxに手打ちで転記しなくてよい。世の中、デジタル化は善である。
作成した帳票類
今回作成した書類は以下。財務諸表以外は、全力法人税から出力されたものを使う。財務諸表は、フリーウェイ経理から出力できる。
■申告書
- 別表1 普通法人等の申告書
- 別表1次葉 普通法人等の申告書
- 別表2 同族会社等の判定に関する明細書
- 別表4(簡易様式) 所得の金額の計算に関する明細書
- 別表5(1) 利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書
- 別表5(2) 租税公課の納付状況等に関する明細書
- 別表7(1) 欠損金又は災害損失金の損金算入に関する明細書
- 別表16(6) 繰延資産の償却額の計算に関する明細書
- 法人事業概況説明書
■財務諸表
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 株主資本等変動計算書
- 個別注記表
※これらはフリーウェイ経理から出力できて、e-Taxに取り込める。個別注記表だけ出ないので、手打ちで昨年と同じように作成。
■勘定科目内訳書
- 預貯金等の内訳書
- 売掛金(未収入金)の内訳書
- 買掛金(未払金・未払費用)の内訳書
- 借入金及び支払利子の内訳書
- 役員給与等の内訳書
取り込んだものは確認して問題なければ電子署名してe-Taxから送信。送信したら、そのままe-Taxから銀行のインターネットバンキングで納付できる。きっちり法人税をお支払いする。
3.法人住民税申告書の作成と提出と納税
eLTAX
法人税の県、市への地方税はeLTAXのPCdeskで作成する。このデータも、全力法人税から出力できるので、今回はそれを取り込んで作成。
作成した帳票類
- 第6号様式 道府県民税・事業税・地方法人特別税の確定申告書
- 第6号様式別表9 欠損金額等の控除明細書
- 第20号様式 市町村民税の確定申告書
こちらも、電子署名して送信。これもeLTAXからインターネットバンキングで納付できるので、お納めする。
まとめ
法人税確定申告も板についたものである。特に今回は、思わぬ黒字となって、国民の義務たる納税をきちんと執り行うことができた。税理士先生のご意見でもあればもっと節税できたかもしれないが、重箱の隅をつつくような節税より、きちんと納税し、その分お上にきちんと意見するという健全な生活を今年はおくれそうだなと思う今日このごろである。
とはいえ、役員報酬は今期は上げておこうと画策はしているのである。。。今期はどうなることやら。