【書籍】これからの「正義」の話をしようーいまを生き延びるための哲学

マイケル・サンデル著、鬼澤忍訳『これからの「正義」の話をしようーいまを生き延びるための哲学』、早川書房、2010年


これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

仏教書以外はこちらに書くことにする。

さて本書である。数年前にkindleで買って途中やめにしていたが、つまらないYouTubeを見るよりも本を読もうと、再読。あらためて読むと面白かった。

正義についての話である。基本的には3つの考え方に沿って正義とは何かについて、哲学的な見識も交えながら話が進む。

①幸福の最大化、②自由の尊重、③美徳の促進の3つである。

これらが数々のケーススタディを取り混ぜて紹介される。いまの日本社会でも議論されている(というかSNSでガアガアかき回される)話題も多い。

徴兵と傭兵、戦争責任、代理出産、障害者、大学のアファーマティブ・アクション、同性婚、妊娠中絶、漂流者の運命、企業救済、便乗値上げなどなど。

①は最大幸福原理(功利主義)、②はリバタリアンの自由至上主義、著者は③を掲げている。

それぞれ、ベンサム、ミル、カント、ジョン・ロールズ、アリストテレスなど錚々たる哲学者の考え方とともに解説されている。

何か話題があると、SNSでこれみよがしに噛み付く前に、これくらいは最低限勉強しておいた方が、こやつ無知だなと思われなくてよいだろう、と思わせる一冊。

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