佐々木閑著『科学するブッダ 犀の角たち』(角川文庫)、KADOKAWA、2006年
科学は、神の領域から人間化へと進化してきた。一方で、本来の仏教は神秘性を排除し人間の営みとしての世界の真理を追究してきた。そのようなレベルにおいては、ひとつの類似性がある。
※決して「仏教は科学的だ」とか「これは量子論的エネルギーうんぬんが」などという似非科学仏教の類の本ではない。もともと科学を志した佐々木先生ならではの視点の良書である。
読書メモ
- 大乗仏教誕生の要因:破僧の定義の変更。「たとえ意見の異なる者同士でも一緒に集団行事(布薩など)を行う限りは破僧にならない」→仏教の多様化→大乗仏教の誕生
- 「究極の真理へと到達するために精励努力し、心、怯むことなく、行い、怠ることなく、足取り堅固に、体力、智力を身につけて、犀の角の如くただ独り歩め」(スッタニパータ、68)