宮崎哲弥著『仏教論争 ー「縁起」から本質を問う』(ちくま新書1326)、筑摩書房、2018年
仏教論争 (ちくま新書)
おなじみ宮崎哲弥氏の本。「縁起」に関して、木村泰賢、宇井白寿、赤沼智善、和辻哲郎といったそうそうたるメンバーが繰り広げた第一次論争と、三枝充悳らによる第二次論争を総括し、現代のオウムにまで言及する。なかなかにムツカシイ本。
読書メモ
- 十二支縁起
- 往観:何を縁として~があるか?老死から
- 還観:~を縁として~がある。無明から
- 順観:生起→
- 逆観:滅があれば→
- 時間的因果関係 ⇔ 空間的相関関係
- 無常に根拠はない ⇔ 縁起の故に無常である
- 十二支縁起はブッダの悟りではない
- 一切法因縁性の縁起 ⇔ 有情数縁起→三世両重
- 大正生命主義
- サーンキヤ学派(数論派):精神と物質の二元論
- オウム:十二支縁起の逆観の独自性
- アーラヤ=執着