長沢和俊訳注『法顕伝・宋雲行紀』第2版、平凡社、1979年
法顕伝・宋雲行紀
法顕は60歳を過ぎて中国を出発し、インド各地を10年以上かけて旅し、各経典や律などを学び、中国に持ち帰った。今のように飛行機も車もないので、陸路はもちろん徒歩である。骸骨しかない灼熱の砂漠や風雪に見舞われる山越え、同行者が次々に倒れるなか、ようやくインドにたどり着く。
そこで数年現地の僧侶に交じって見聞を深め、中国へ水路で帰路につく。乗った船も嵐で難破し、瀕死の態でようやく中国に戻ってくる。そこからまた、持ち帰った経典の翻訳に明け暮れたという。
何事も、はじめるのに年齢なんぞは関係ないと、勇気を与えてくれる一冊。
読書メモ
- 現地の言葉はどのようにしたのだろう?会話はどうしたのだろうか
- 小乗、大乗を分けて呼んでいる。大小乗をまぜて学んでいるという記述もある。
- 本書の後半は、「宋雲行紀」。楊衒之著。
- 宋雲は官人。この書物は偵察報告書とのこと。